“量”と”数”の概念

 

■量とは

買い物を思い浮かべてみる。

「近くのスーパーに行こう。川の土手を歩いていく。吹き付ける風が冷たい。スーパーには10分ほどで着いた。夕方なので店内はにぎやかだ。今日はサンマがお買い得だ。塩焼きにしよう。なるべく太く大きなものがいいな…」


この時点でで9つもの量が出てくる。

距離が「遠いか近いか」風が「強いか弱いか」気温が「高いか 低いか」 時間が「かかるかそうでないか」 人が「多いか少ないか」音が「大きいか小さいか」 値段が「高いか安いか」 重量が「重いか軽いか」長さが「長いか短いか」


人間は様々な種類の量を使って生活している。 人間の生活と量は切り離せないように、量の概念は非常に重要なものである。


量の定義:


「物事の一側面に着目してその大小を比較できる概念」を「量」と呼ぶ。


大きい小さい、長い短い、重い軽い、長い短い・・・など、変化を表す形容詞はみな量と言ってよいだろう。量には様々な種類が存在する。これは大きく"離散量"と"連続量"に分類出来る。


離散量:個数,本数,台数,人数,… 

連続量:長さ,速度,質量,温度,…


量の程度を数値で表すことができれば、大小が客観的に比較できる。



■量と数の関係

数の定義:

同種の量どうしの"比"を「数」と呼ぶ。


ここで注意すべきは、量自体は数ではないことだ。つまり、


量=数(比)×単位量


ということである。 単位量とはある特定の決まった量のことである。

これが量を考える学問のすべての基本である。数学はもとより、物理,化学,統計学...などすべてである。


ここで単位量を決めなければならない。個数,本数などの離散量は直接数えることができるが、連続量となるとそうはいかない。「歩いて何歩」と言っても人によって歩幅は違う。万人に通用する特定の量(単位量)を定めなければならない。例えばメートルという量に関しては「光が真空中で1/299792458秒間に進む距離」と人間が定めている。 (→単位のなりたちを参照)


3kg=3×kg≡「kgという単位量の3倍」


※単位とは”1”という意味である。通常生活で使う”単位”というのは”単位量”のことをいう。


※測定の意味

“量を測定する”というのは対象の量が単位量の何倍かということを決定する操作である。


※方程式

方程式の程は"量"、方は"くらべる"という意味。

つまり、左辺と右辺の"量"を"くらべる"と等しいということを表している。


 
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